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映画「故郷よ」「フタバから遠く離れて」

長らくのご無沙汰、失礼しました!

時はいつの間にか春!ですね。

もうすぐ東日本大震災から2年になろうとしています。たまたま近くでやっていたので見る機会があった映画は二本とも原発事故に関連していました。

一つは「故郷よ」(フランス・ウクライナ・ポーランド・ドイツ合作)。
もう一つは「フタバから遠く離れて」

どちらも強い口調でメッセージが語られている作品ではありません。でも、どちらの映画にも共通するのは「故郷」がテーマになっていることです。

「土地(=文字通りの大地)」、「人のつながり」、「その土地の文化」が人が生きる上でいかに大切で、欠かせないものであるかが強く印象づけられていました。特に農業や漁業・酪農等を生業にしていた人々にとっては、都市部に生きる人間の何倍も故郷への思いが強いだろうことは想像に難くありません。

<「故郷よ」>

前半:原発の爆発も、それによる放射能の拡散も知らされずに、いつも通りの日常を送る人々の視点から見たとき、原発事故とはどうであったのかが再現され、映画とわかっていても、思わず「逃げて」「雨に濡れてはダメ」と声に出したくなるくらい苦しくなりました。多量の放射能を浴びた消防士は看護師から「人間原子炉」と言われ、ガイガーカウンターの鳴りやまない市場では肉の売買がされています。「危険だから買うな」と忠告した男は、「頭がおかしいのか」とさげすまれます。

やがて避難のバスが軍隊とともにやってくる。いつも通りに食卓に向かっている老人はナイフとフォークを手にしたまま、椅子ごと兵士にバスへと運ばれます。この場面など、おかしくて思わず吹き出しそうになりながらも、社会主義の国だからこそ、むしろ強制的に短期間で避難させることができたのかもしれないなあと思いました。非常事態での即時避難とは、それくらい強権発動しなくては達成されないものかもしれません。国の意思(国民の統一見解)がないと、非常事態の危機対応をスムーズにこなすのは難しいだろうなと・・・。

後半:故郷への思いが募って、放射能のリスクを知りながら故郷に戻るヒロイン。原発から3キロの街プリピヤチには観光バスが出て、世界中からツアーがやってきます。福島にも観光地化の計画があると聞きますが、どうなるのでしょうか?単に観光地にしてしまうなど、チェルノブイリの後をフクシマが追うことになりませんように。放射線管理や被爆の回避対策など、チェルノブイリから学んだことを生かさないのではあまりにも愚かすぎます。

。。。。。。。

映画全体としてはちょっと印象が薄い気も。見ているときは結構惹き込まれていたように思うのですが、映画館を出たら、見終わってあまり印象に残っていないような・・・。でも、チェルノブイリの空気感というか、当時を疑似体験するには見て損はない気がします。元ボンドガール演じるヒロインのツアーガイドがちょっとかっこよすぎる気もしますが、熱演です。

<「フタバから遠く離れて」

仮設住宅からアパートに引っ越して、大型テレビやビデオデッキや冷蔵庫がそろい、思い出のビデオを見る家族。過酷な体験を経て後も、以前と同じような暮らしが続いていく。身内を失い、家も田畑も財産を失っても、私たちの暮らしはそう変わらないものなのだなあ。むしろ、とてつもない体験をしたからこそ、以前のような暮らしに戻ろうとするのかもしれない。そんなことを思いながら見ていました。

過酷な体験をしたからと言って、以後の生活が以前と全く違った価値観で営まれるかというとそんなことはなくて、私たちの暮らしはそうそう変わらないし、変えられない。それは私自身にもそのまま言えることでもあり、いろいろと考えされられます。

311を経験した後は、世界は変わるだろうと言われたけれど、今また私たちは以前の暮らしに戻ろうとしているのではないだろうかとも思ったり・・・。

。。。。。

元双葉町長の井戸川さんの考え方が時間の経過と共に変化していき、「原発の誘致は完全に失敗だった」と認めるに至る経緯がそのまま映し出されています。原発反対派の私としてはもっと早くに気づいてほしかったというのは確かにありますが、それでも、井戸川さんが一人の人間として誠実に、現実に向き合っている姿勢、そして極力住民を被爆させたくないと意思を貫くことで他の自治体や国から孤立していく事情には、理解と共感と連帯の気持ちを表明したいと思います。

ご自身も爆発の灰をかぶり、体調が悪化していると聞きます。町長選も辞退されましたが、今後もお元気でがんばってほしいと切に思います。

終了後の監督のお話から・・・

タイトルの「遠く離れて」には二つの意味を込めたと言われた。「離れて」は、被災者達の福島からの距離でもあれば、同時に、東京など福島の原発の恩恵に浴していた私たちの物理的(=心理的)距離でもあるとの意味です。
監督が関西で上映したときには、関東とはさらに空気が違うとも言われました。もう震災のことは遠いことになりつつあると。それは、かつて阪神淡路大震災のときの関東の反応でもあったと。

忘れてはいけないことではあるけれど、同時に向き合うことの苦しさをどのように過ごしていくかも大事なことだと思います。簡単に答えは見つかりそうにありませんが・・・。
こちらはお近くで上映されましたら、ぜひ見ていただきたい映画です。







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