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科学者の良心

放射性物質が関東の一部や海からも検出されました。健康を害する数値ではないと言われてもやっぱり不安です。ここでもそうなのですから、原発周辺の方達の不安は比べようもないくらい大きいと思います。

そうした地元の不安感を少しでも和らげようと、先日福島で、専門家を招いて講演が行わたそうです。そのこと自体はもちろん歓迎すべきことですが、そのためには正しい情報が伝えられる必要がありますね。その点が気になるのです。批判が出ないように、国や電力会社に都合のよい意見を講演者にお願いするというようなことがなければよいのですが・・・。

専門家のコメントがまちがっていたために、正しい情報に基づく適切な対処法や、そのためのタイミングを逃してしまうとしたら、とても罪深い行為だと言えます。ほしいのは正しい情報による的確な行動指針です。特に、幼い子どもや妊婦さんは直接被害を被りますから・・・。

なぜ、このような危惧を抱いたかというと・・・。

「福島県災害対策本部は、県民の放射線に対する不安を解消するため放射線による健康被害に関し専門的な知識を持つ、長崎大学大学院の山下俊一医歯薬学総合研究科長ら2人に「放射線健康リスク管理アドバイザー」を委嘱した」(電気新聞2011/3/21web)そうです。

その山下氏がNHKラジオのインタビューで、こんな発言をしました。

「セシウム137の半減期は60日ですから・・・」

正しくは30年です。聞き間違えかと思って聞き直しましたが、はっきり60日と言っています。

インタビュアー「どんどん蓄積するものではないんですか?」

「そうなんです。そこが難しいところで、・・・略・・・どんどん減って最後はゼロになります」

ゼロになるとしても、ゼロになるまでの期間が問題なのに、「ヨウ素は8日、セシウム137は60日で半減するから(問題ありません)」というニュアンスの発言でした。

放射線治療の第一人者で広島長崎の被災者やチェルノブイリの放射線治療についても詳しい人らしいので、「半減期」という初歩的な知識について、うっかりミスをするとは思えません。

半減期(放射能の強さが半分に減るのに要する期間)が60日と30年では大違いです。30年で半分になるということは、60年後に4分の1に、90年後に当初の8分の1になるということですから、人間の一生から考えると一生体内に存在するという表現のほうが当たっているでしょう。

とすれば、山下氏の言われる「蓄積はせずに、なくなる」という表現は正しくありません。また、大気中から、1時間当たり20マイクロシーベルトの放射能数値が検出されたことについても、一年間その場にいても数ミリシーベルトだから大丈夫と言われています。

実際に計算してみたところ、私の計算が間違っていなければ、4204,8ミリシーベルトとなり、障害を引き起こす100ミリシーベルトの40倍にもなる値です。なぜこれが、一年間その場にいても大丈夫な数値なのかわかりません。7ヶ月で、障害を引き起こす限度100ミリシーベルトを超える値です。(20×24×365÷1000で計算。どなたか私のこの計算が違っていたら教えてください)

さらに氏は質疑応答の最後に「冷静に、風評被害に負けないのが大事」と言っていますが、専門家であるがゆえに、正しいことを伝えない山下氏の話のほうが風評以上に問題といえます。

また、権威ある人が発するこうした間違った情報により、正しい情報のほうが風評として扱われてしまわないかも心配です。テレビや新聞でも専門家は、過酷な体験を余儀なくされている被災者の方達に対し、誠実に、科学者の良心に基づく発言をしてほしいと願わずにいられません。

正しい情報がどこにあるか、科学的根拠をキッチリ伝えてくれる情報源がほしいです。


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