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夏芽さんのお話

ハッキリ言ってけっこう衝撃でした。そしてなぜか涙が出てきます。(スミマセン、超長いです)

平良夏芽さんは、沖縄の辺野古で米軍基地移設に反対する「沖縄平和市民連絡会」という団体の中心的人物の方で、本業は牧師さんです。

うっかり、米軍基地移設に「反対」と書きましたが、夏芽さんはまずコレを否定します。反対ではなく「阻止行動」だと。

優しく穏やかな口調で終始笑顔を絶やさないが、出てくる言葉はきっぱりと強い。

「反対だったら道路脇で旗を振っていればいいんですが、阻止すると言うことは、トラックの前に立ちはだかってでも止めると言うことです。」

ガーーーン!(そう言うことなんだ!うなだれるワタシ)

そして、どんなことがあっても非暴力で阻止するということ。たとえ自分がやられても、仲間がやられてもあくまで非暴力。

平和のための闘いが暴力であっては意味がない。言葉の暴力を含めて、どんな場合も暴力を使ってはならない。

そのために相手に触れたら暴力に発展する可能性があるから、絶対に相手に触れない。とにかく調査用の器材にしがみつく。はがされてもはがされてもしがみつく。

以前見た写真では、私の目には阻止行動の人達は皆ウエットスーツを着たり、カヌーに乗ったりして、みんな海を知り尽くしたプロのように見えていた。

でも違ったのです。みんな素人で、9割がカナヅチだったそうです。とにかく「止めなきゃ」という一心で、カヌーのこぎ方を覚え、ダイビングライセンスを取って、海に出て、(防衛施設局が調査のために投げ込んだ)器材にしがみついたのだそうです。

数十秒しがみついては海上に出て交代、別の人が潜る、を繰り返した。ライセンスを取った翌日に潜って、海底の器材を追っかけてドンドン潜ったら、すでに酸素タンクは使い切っていたこともあったそうです。

そうした命に関わる危険と紙一重の阻止行動だったことが次々に語られる。それでもあいかわらず夏芽さんの口調は穏やかだ。

そんな夏芽さんにとってさえ一番きつかったのは、仲間がやぐらにしがみついていたときに、指を一本一本はがされて鉄パイプの上に落ち、大けがをして運ばれたときだったそうだ。

「自分への暴力はガマンできます。でも仲間がやられると殺意が芽生えるんです。自分の殺意を抑えるのが一番きつかった。」

でも非暴力でなければ平和を求める行動そのものが意味がなくなってしまう。そして、仲間がやられたときに、作業員に向かって言った言葉。

「あなた達を敵とは思っていないよ。あなた達にも家族がいるし、働かなければならないのもわかる。私たちはあなた達を敵とは思っていないのだから、だから気をつけてね。」

「仲間がやられたときにこの言葉を言うのは本当に勇気がいる。」夏芽さんをしてこう言わせるくらいたいへんな一言だ。

(そして、ふと思う、きっと人はこう言うとき武器を持っていたら使うだろうなと。武器を持っている人はもっとその手を止めるのは難しいだろう。夏芽さんの何十倍も。)

「こういうことを続けていると、作業員の人とも親しくなります。そうするとこちらを殴れなくなる。殴らないのではなく、殴れなくなるんです。

でも施設局はお金があるので入れ替わりに、新しく次の作業員を入れてきます。また最初から阻止行動が始まります。」

なぜこんなに必至に止めるのか。それは今沖縄が加害者になっているからだ。かつては犠牲者だった沖縄が、戦後は朝鮮戦争、ベトナム、イラクと、米軍爆撃機の飛び立つ島、加害者になっているからだ。

長崎原爆もサイパン(正:テニヤン)から飛び立った爆撃機が帰りの燃料を伊江島(正:沖縄本島で給油できなかったら、なかった。(でもそれは沖縄のせいじゃない。そこまで背負わなくてもと思ってしまう。じゃあ誰が背負うの?日本人みんなが背負わなくてはいけないことじゃないのか)

60年代、ベトナムに寄付を届けたとき「ありがとう」ではなかった。「爆撃機を止めないで薬を持ってくるとは何事かと言われた。『ひどいじゃないか、寄付を届けたのに感謝の言葉もなく。』と思う人もいると思う。でも、そうでしょうか。殺される側の身になった時に、私たちは素直に感謝できるでしょうか。

イラクのファルージャに薬を届けたときも、感謝の言葉ではなかった。医師から静かな口調で言われた。「この子がこうなっているのはあなたの島から来た爆撃機ですよ」と。

「私が帰国した直後、ファルージャが猛攻撃にあって6000人が殺されました。辺野古のキャンプシュワブから出た爆撃機がやったんです。・・・私のヒゲはイラクに戻るためのヒゲです。そのとき失礼のないように・・・。」

辺野古の反対運動に集う人にはいろんな思いの人がいる。世界で最も大きな破壊は戦争だということで思いを一つにして頑張っています。

今度の海は大浦湾です。今までと違って深い。何十メートルの深さ。今度沈んだら大変なことになる(人間疲れてくると沈んでいく。今までの阻止行動では海底から引っ張り上げて舟に乗せていた)。

皆さんがカメラを持って近くに潜ってくれているだけでもずっと違う。どうかできることで一緒にがんばりましょう。(話の様子から聴衆は潜水のプロの方達のよう)(2006/7の講演)

長くなってしまいました。要点だけと思ったのに、どれもとても心にしみる言葉だったのでつい。ビデオの雰囲気はとても伝わらないと思いますが、書いてみました。

沖縄平和市民連絡会(夏芽さんの講演)
(別の日の講演の全文がテープ起こしされています。)

※赤字部分、5/29訂正。

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コメント

さくら子さん長文の引用ありがとうございます。
文字情報だけでも十分伝わるものがあります。

「あなた達を敵とは思っていないよ。」・・この言葉を「仲間以外には親切にしない」と公言していた日本にもいるキリスト教原理主義者に聞かせてあげたい・・・。

他の講演も検索してみたらたくさんあったので、私も自分のブログで紹介したくなりました。

講演での夏芽さんの「あなた達を敵とは思っていないよ。・・・だから気をつけてね。」の言葉は、ホントに気持ちがこもっていて、優しいんです。
同時に本当に勇気がないと言えないなあと、我が身を振り返らずにいられなくなりました。

こ、こ、これはばるタンさん経由で入手されたものですね!!!
昨年の辺野古&大浦湾のリーフチェックの前夜に講演していただきました。聴衆のみなさんの反応は二つに分かれ、思わず涙が流れ
その後人生観が変わってしまった方がたくさんいらっしゃいました。
しかしながら一方で同じ話を聞きながら「阻止活動ってのは安全管理的に問題あるねぇ」とか言ったり、その後リーフチェックと距離を置くようになってしまった方々も・・・。

無理に阻止活動を一緒にしなくてもいいから貴方にできることをやって欲しいと皆に言う夏芽さんはとても優しかったです。私には「貴女には科学という武器があるのだから私たちが時間稼ぎをしている間に貴女の武器で戦って欲しい」とのお声をいただきがんばっているのですが、まだまだがんばりが足りないようです・・・・。

そうなんです。
さめさん→ばるタン→さくら子さんと流れております。
そのほかの流れもありますよ^^

夏芽さんがおっしゃるように、辺野古は非暴力だからこそ、私なども(どこの誰でも)気軽にテントを訪ねていけるのだと思っているんです。


>さめさん
「貴女には科学という武器があるのだから私たちが時間稼ぎをしている間に貴女の武器で戦って欲しい」

私はさめさん達のリーフチェックのおかげで沖縄の海に関心が向きました。そしたら身近な東京湾の三番瀬の生き物にも関心が向いてきたり、いろんな相乗効果があるものだなあと思っています。

シビアな阻止行動だけでなく、いろんな行動があるのがいいですね。

>ばるタンさん

あちこち同じDVDが行き交ったりして・・・。^^)

非暴力だから安心して参加できる・・・本当にそう思います。

さくら子さん

>私はさめさん達のリーフチェックのおかげで沖縄の海に関心が向きま>した

おお!それはとてもうれしいお言葉!とても良い相乗効果ですね。三番瀬の生き物たちも興味深いです。

ばるタンさん
鍋からどんどん沸くジュゴンのようにどんどんDVDも増やしてくださいませ~

海のジュゴン、草木染めのジュゴン、どっちも増えるといいですね。

もっといいのは、草木染めのジュゴンがお役ゴメンになるときですけど。

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