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津軽三味線

津軽三味線を、
PA(音響の拡張装置)を使わず、
内部の壁面がすべて木質のホールで聴いたら、
どんな音がするだろう?

そんな興味が先行して、演奏者についてまったく予備知識もないまま、コンサートに行ってしまった。ところがこれが素晴らしかった!

「三味線一棹 一人舞台~岡田修 再び!~」(神奈川県立音楽堂)

2003年に、同ホールで同じく一人舞台で演奏し、非常な好評だったことから再演につながったそうだ。観客の大半が50代~70代、若い人はほんのチラホラ。三味線を習っている人や常連さんが多いのだろうか。

演奏者は49歳、たまたま師も同じ49歳の時にこのホールで演奏していたことを不思議な縁だと語っていた。そして二年前に他界した師にならって長髪を結ばず「今日はこの格好で演奏します。暑苦しいですがご勘弁を(笑)」と長髪の奏者。紋付きをアレンジしたような黒い上衣に赤いパンツの衣装もひげ面に似合っていた。

ステージの上方には「ねぷた」の大凧が飾られ、照明もあいまって、視覚的にも楽しめるコンサートだった。

津軽の歴史や津軽三味線の背景、昨年他界したゴゼで人間国宝の小林ハルさんのことなど、温かいオシャベリを挟みながら、1時間半8曲の演奏は、もっと聴いていたいと思わせる心地よさ。

津軽三味線というと豪快な音を連想してしまうが、この日聴いた音色はとても細やかで優しい音も持っていた。力強さと繊細さの間を自由に行き来しながら、奏者自身も気持ちよさそうに弾いているので、こちらも聴き入りながらも自然体で楽しめる。歌う声もなかなか魅力的。

ひときわ興味深かったのは昔ながらの太棹と現代の三味線を弾き比べてみせてくれたこと。
古い三味線はボンボンと重く低い音で遠くまでは響かない。
今の三味線はビックリするほど甲高く、遠くまで響く。
私には古い三味線のボンボンという音がとても体になじんで聞こえた。ステージ用ではない、生活の中に生きてきた音だからだろう。

アンコールでは、「これからほんのひとときで終わる短い東北の夏を、このねぷたを見ながら思い浮かべてほしい、後ろを見ないでね」と言ったかと思うと、客席に下りて来て一番後ろに立つと、ステージに向かって三味線を弾き始めた。お客は、舞台上方のねぷたを見ながら三味線を味わうという趣向だ。私は自然に目を閉じて聴いってしまった。後ろからの音は、見て楽しむというより、自分の内側に入ってくるようで新鮮な体験だった。にくい演出!

またぜひ聴きたい。
それもできれば今日のように生の音がいいなぁ。

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「音楽」カテゴリの記事

コメント

さくら子さん、こんばんは♪
和楽器の音はいいですよね。
私も今夜は尺八の演奏を聴きました。
ピアノとの共演でした。
下の記事の公園はこのホールの近くですか?
虫の音コンサートなら毎晩自宅で聴いてますけど(^_^;)。
夜風は早くも秋の気配です。

いいコンサートだったみたいですね。
神奈川県立音楽堂、なつかし~♪
今年もねぶたに行きそびれてしまいました(^-^;

>PFCさん

尺八とピアノですか?聴いてみたいです。
尺八をコンサートで聴いたことはまだないんです。

下の記事の公園は、コンサート会場の裏にあります。ここには県立青少年センターと音楽堂とがあってその裏に公園。
青少年センターでお昼をいただきましたが、30~50年くらい前に青少年だった方達ばかりでした(私も)。

>虫の音コンサートなら毎晩自宅で聴いてますけど(^_^;)。
夜風は早くも秋の気配です。

えっもう秋ですか?早い!(涼しそうでいいなぁ)
こちらはうだるような暑さの中、蝉だけは元気です。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


>あざみ子さん

神奈川県立音楽堂、いい所ですね。造りも雰囲気も。
あざみ子さんはよくいらしたのかしら?

隣の青少年センターはプラネタリウムもなくなってしまい、ちょっと寂れた感じでした。かつてここは県立施設の花形の場所だったのにね。

ねぷた、来年こそは…、行かれるといいですね。

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