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ピーターラビットの故郷で今

絵本「ピーターラビット」の作者ベアトリクス・ポッターがこよなく愛したイギリスのカンブリア地方。ここは、湖水と緑が美しいイギリス随一の景勝地として有名です。いつか本屋で立ち読みしたとき、ふと開いたら、このカンブリア地方を紹介した写真集だったことがありました。まるでおとぎ話の世界にでも紛れ込んでしまったような、息をのむ美しさでした。たとえばちょっとサイトを検索してみると…写真をクリックして想像してみてくださいこの写真4とか。

そしてポッター女史もこの景勝地を守るために、ナショナルトラスト運動として私財を投じたそうです。

が、ここに核燃料再処理工場があることは、あまり日本では知られていません。日本の原発から出た廃棄物も、ここに送って処理してもらっています。この再処理工場のある土地をセラフィールドといいます。この工場のために付近の海は放射能に汚染され、魚は食べられないそうです。(魚の話は以前、英会話のアイルランド人講師から実際に聞きました。「アイリッシュ海で採れた魚は恐くて食べられない」と。アイリッシュ海はアイルランドとイギリスに挟まれ、セラフィールドはイギリス側の海岸に位置します。)

セラフィールド再処理工場に勤める人を父親に持つ子どもたちに放射能の影響が出たり、廃液の垂れ流される海岸で遊んでいる子ども達には白血病が多いともいいます。(どこの国も同じですが、直接的な因果関係が立証されない限り、国は「シロ」を主張して、被害は続いていきます。)以前読んだ本「ピーター・ラビットの自然はもう戻らない―イギリス国家と再処理工場 私の使う電気は子ども達の犠牲の上に成り立っているわけです。

そのセラフィールドのソープ再処理工場でつい最近漏洩事故があり、重大事故なので工場を閉鎖した方が良いという専門家もいる状況になっています。結構大きな事故なのですが、日本ではほとんど報道されていません。そのため、つい最近、日本の中学生がソープ工場を見学に行く計画が持ち上がっていました。教育委員会の人は何も知らないので計画したのでしょう。(詳報はこちら

関東では考えられませんが、原子力施設のある土地では、広報のために原子力施設の見学を教育活動に組み入れているようです。教育新聞(正式名称は何だったかな?校長先生達がよく読んでいる新聞。)で、原子力施設見学の活動報告などが載っているのを読んだ覚えがあります。ほとんど施設のPRと見まごう内容でした。

でもこんな危険な事故後、閉鎖中の工場へ、中学生達を見学に行かせる計画が進行中だったとは…。事故が大きかっただけに事前に情報が入ってきたけれど、そうでなかったらどうだったのだろう。また海外にまで行って再処理工場を見学する学習効果とは何なのでしょう?子ども自身のためというのではなさそう。

私自身、セラフィールドの漏洩事故の情報が入ってきても、何をどうすることもできないし、実際自分の身近な問題と捉えるには距離があったけれど、日本の中学生の記事を読んだときに、にわかに他人事でないと思いました。思わぬ所で自分たちにつながっているんですよね。

というわけで「カンブリア地方」と聞くと、「ピーターラビットと美しい湖水地方」のイメージ、他方では「核燃料再処理工場」のイメージ、両方がいっぺんに浮かんできて、私はとても複雑な気持ちにならざるをえません。

参考)自民党の河野太郎議員のHPにもこの件に言及したメールマガジン(28日、31日付け)があります。

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「環境」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。突然なのですがどうしても教えていただきたいことがあります.
ビデオ「ピーターラビットと仲間たち」の最後の場面(実写)の部分でたぶん英語だと思うのですがバックミュージックで流れている女性野方が歌っている曲名を知りたいのです。小学校の時からずっと探しているのですが分かりません。
初めてながら恐縮なのですがもしお知りになっていたらぜひお教えくださいませんか.
よろしくお願いします.

残念ながらわかりません。ごめんなさい。
ビデオの制作会社に問い合わせてみるというのはどうでしょう?
わかるといいですね。

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