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シャラポアへの質問

ウィンブルドンの試合後にインタビューを受けたマリア・シャラポアが、「ファンから求婚されたことがあるか」といった質問が続いた後で「逆襲」した、というインターネットの記事を読んだ。たとえばこんな具合…。

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「(声をかけない)遠慮深い英国男性にがっかりしていますか」とさらに突っ込まれるとシャラポワは「あなたは(大衆紙)サンの記者なの」と逆襲し、「テニスに話を戻しましょう」と打ち切った。

 この日は、「今着ているウェアが最もナイスと思うか」や「ウィンブルドンのテニス博物館があなたのウェアの寄贈を求めているが」など、試合と関係ない質問が多く飛び出した。シャラポワの完ぺきな試合運びの前に、記者たちも質問を思いつかなかったようだ。【山科武司】

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と記者はまとめているが、はたしてそういうことなのだろうか。質問を思いつかなかったから「求婚されたか」とか「今着ているウエア」の質問をしたということなのか。そうではないように思う。たまたま完璧な試合をしたシャラポアが、女性でなおかつ美貌のテニスプレーヤーだったからではないだろうか。

イチローが攻守に絶妙なプレイをしてファンうならせた試合の後、着ていたウエアのことなどで質問を受けたりするだろうか?異性に関するプライベートなことで質問責めにあったりするだろうか?そんな質問をしたら質問した記者がバカだと思われるに違いない。シャラポアが「逆襲」(記事の見出し)したのももっともだと思う。実力を評価せず、外見やプライベートに関わる質問しかされないとしたら、怒って当然。

同時に、相手が男性だったらしない質問=テニスプレーヤーとしての実力と関係のない質問をしてそれを変だとも思わない記者達の感覚には、性差別の意識が潜在している。性差別は(というより差別は)、日常に何気なく存在するから気づかない。と書きながら、私も自分ではそれと知らず、どこかで誰かを差別しているかもしれないと思った。せめてその危険性にだけは敏感でいなければと思う。

この件で思い出したことがある。中国の女性歌手フェイ・ウォンが日本のテレビアナウンサーのインタビューに幾つか答えるうち、記者が次の質問をしたそうだ。「ぼくがもしデートに誘ったらOKしてくれますか?」フェイは答えた。「この場合、もし、ということはありません。本当に誘ってくれるのですか、くれないのですか?」インタビュアーはたじたじとなってしまい、「え、あのー、じゃやっぱりやめときます」だったそうだ。

フェイの場合も、十分準備もなく安直な質問ばかりで、音楽や仕事の話をしない(できない)取材はゴメン、と断っている。

自分を持った女性(本来、女性に限らないが、社会における女性の位置からすると特に女性)の、きっぱりとした発言は気持ち良い。

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