« 憲法学習会の準備 | トップページ | 新しいプリンタ »

「死んじゃいかん」の憲法

昨日は「やさしい憲法のはなし」講演・学習会をやった。人数は少なかったけれど、講演の内容はとても良かった。感想のいくつかを掲載する。

●立川の凡例とか、法律家らしい具体的で現実的な話は、新聞で
は知ることのできない内容で興味深かった。
二時間が短く感じられるほどで、近代史の延長線上にいると実感
した。

●憲法が国家権力の歯止めであり憲法を変えるということの意図
するところをとてもわかりやすく、明快に解説していただきまし
た。戦後60年たってあたり前になってしまっている憲法について
もう一度みんなで考える必要があると改めて思いました。

●今までの自分の改憲へのイメージは、新聞やメディアのためか
分からないが、改正という言葉自体が別格に捉えられていて「良
い方へ変える」「改正=改善」するということが前提にあった。
だから改憲はしたほうがいいと思っていた(今まで聞いた限りで
は)。また、中身を知らないまま、アメリカから与えられた憲法
なら、今独自に「日本の憲法」をつくることも良いと思っていた。
しかし今日聞いて中身を知るとまったく違い、価値観を変える
きっかけになった。
 

●憲法をしっかり勉強する、などと聞くとすごくむずかしい話の
ように思ったけれど、かんで含めるように仕組みを話してもらえ
てよかった。「変えてはいけない部分」を書いてあるのが憲法。
「死んではいけない」が基本である、との言葉が胸に響いた。
憲法の話というのは、法律というよりむしろ人間の生き方や、人
と人との交流についての問い直しを、各自に迫る側面も持ってい
るとわかった。

…………………………………………………………………………

講師の山本さんが要点を押さえてわかりやすく解説してくれた。印象に残っているのは、法律学には答えがないと言われたこと。法律は具体的にこうあるべきとは示さないから自分で考えるしかないのだと。最高裁の合憲判断だって、裁判官の出した答えにすべてを任せていいのかとも言える。常に考え続けながら法律を使うことで、答えを引き出すことができるようになるということだろう。

そして憲法の価値とは変えてはならないものにこそあるのだそうだ。つまり議論の余地のないものだという。それは日本国憲法誕生時のことを思い起こせば、「死んじゃいかん」ということ。だから現行憲法の一番重要な価値は第13条「個人の尊重と公共の福祉」にあるというわけだ。この話も面白かった。「個人」を制限できるのは「個人」だけだという。よく国家のためにとか、国益のためといって、個人を制限する言い方をときどき耳にする。

これは憲法の解釈では成り立たないそうだ。たとえばダイヤモンドを切ることができるのは、ダイヤモンドしかないように、個人を制限できるのは、個人しかない。つまりある人の言動が他の人の利害とぶつかったときに初めて、個人に制限が加えられるのであって、国が個人に制限を加えることはできないと言うのだ。だから、お国のために個人は多少の犠牲になっても仕方ないなどという言い方はできないということだ。

どうしてこんなに個人が守られているかというと、憲法は法律の親玉なんかではなく、国家が力を振り回して横暴なことをしないように、国民が国家を制限するためにつくったものだからという。国会議員がしっかり国民のために働き、社会のシステムが国家のためでなく個人のために働くように制限するためのものなのだ。だから憲法に権利ばかりで義務が書かれていないのは当たり前なのだ。

権利ばかりで義務が書かれていないから改正しようという意見も、憲法についての間違った捉え方ということになる。だとすると、間違った知識で、改憲するしないを議論したり、勘違いで安易に決めてしまってはとりかえしがつかない。とにかくもっとよく知ること、そして考えることだと思った。山本さんは今から5年くらいがカギではないかと言われた。この間に、充分話し合い、議論を深めることができれば、憲法は定着するし、そうでなければ力を失っていく。この5年間は試金石だと。

« 憲法学習会の準備 | トップページ | 新しいプリンタ »

「平和」カテゴリの記事

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

☆さくら子さん、みなさん、
ブログ炎上していたので、ご無沙汰してしまいました。焼け落ちませんでしたが(笑)
憲法学習会、ごくろうさま!
山本さんのおはなしとてもよかったですね。それに今までぼんやり思っていたことに裏づけをいただいたようで、とても役に立ちました。学習会あとのフリトーキングも楽しかったです。みんなとはなしていると不安な気持ちも元気になります。
話が変わりますが、カテゴリー多いですね。さくら子さんの好奇心旺盛さがうかがえます(笑)

azamikoさん、ブログの対応お疲れさまでした。私も学習会や、皆さんとのおしゃべりで元気をもらいましたよ。昨日の東京新聞夕刊「私の憲法論」に宗左近さんが面白い事を書いていたので、またそれについても近く書いてみたいと思います。
カテゴリーが多いのは単に整理できていないだけ。整理しなくちゃね。これじゃカテゴリーにならないですよね。最初は既存のカテゴリーで分類していたけど、しっくりこないので自分で作っていたら増えてしまったってわけです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73432/4160085

この記事へのトラックバック一覧です: 「死んじゃいかん」の憲法:

« 憲法学習会の準備 | トップページ | 新しいプリンタ »

2014年6月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30