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桜を愛でるように…

近くの小学校の校庭の桜が満開だった。校庭の三方をぐるっと桜の花で囲まれた中、
大勢の子ども達が野球や鬼ごっこをしていた。風が吹くと校庭を取り囲んだ何十本と
いう淡いピンク色のかたまりが、ワサワサと柔らかく揺れた。まだほとんど散り落ちる
花びらはない。

夜のテレビニュースでは日本全国の花見の宴会や夜桜見物の様子を伝えていた。
京都では堤の両側に1500本、宮崎の夜桜は1800本、千鳥が淵でも500本(だったか
な?)、とにかく日本中に桜の名所がある。これらはほとんどが戦後の復興の過程で、
すさんだ人心と大地を回復させる慰労のために植えられたものだという。

そのために、一斉に咲きそろうソメイヨシノという品種を植えたのだそうだ。
ソメイヨシノは原種ではなく、今で言えば「クローン種」で、人工的に作った種類なんだ
そうだ。そのためか樹齢も60年くらいとも言われ、戦後すぐに植えたものは、そろそろ
弱り初めているらしい。そのせいか、全国のソメイヨシノにこのところ急激に、病害虫の
被害が出始めているという。

私たちの心が弱ったり元気が出ないとき、確かに植物は私たちに生命の持つ息吹を
感じさせ、そっと心を包むように和ませてくれる。
戦後、荒廃した中で始まった庶民の生活。桜の木が全国に植えられ、年々大きく育
つ中、春の訪れとともに桜の花は、数えきれないくらい多くの人たちに慰めを与えて
きたに違いない。

毎年この時季、ニュースが桜前線の北上を伝えるとき、花便りが国民の大きな関心
事になる日本っていいなあと嬉しくなる。こんなふうに桜を愛でる日本人に対して、
「そんな一つの花に一喜一憂するなんて変わっている」と、万一よその国の人に言わ
れたとしても、日本人はきっと気にもとめないし、これまでどおり桜を愛でることを止め
ないだろう。

同じように、「世界の中で、軍隊を持たず外交努力で平和をつくろうなんて変わってい
る」と廻りの国から言われたとしても、正々堂々と「これでいい」と言える日本人だった
ら、いいなあ。それは決して不可能なことではないし、絶対試してみる価値はある。
ほんの少しの勇気があれば。先の戦争で払われた大きな犠牲に対する私たちの責任
として、少なくともそれくらいの勇気くらい持たなくては、いけないだろう。

よその国がこうだから、私たちもこうするではなく、他はどうであれ、私たちは歴史の教
訓としてこのような道を選ぶと言うのでなければ、本当の意味で犠牲になった人たちに
報いることはできない。美しい桜の下を歩きながら、臆することなく独自の道を歩ける日
本人の一人でありたいと思った。同時にこれからの世界では、自分の道を誇りを持っ
て歩くことのできるおとなになれるよう教育をしていくことが、子ども達の未来のために
欠かせない視点になってくると思う。

桜の花は携帯カメラではうまく撮れなかったので、これは桃の花。
もっと鮮やかな色だったのに、夕方だったためか、暗いなあ…。
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コメント

さくら子さま、こんばんは。
写真の桃の花、素敵な場所ですね。私も今日はお花見をしてきました。

日本のなかにも「桜」をめでる習慣がない人々が大勢いらっしゃると思いますが、平和を願う気持ちは一つでありたいと思う私は、少々むしが良すぎるのでしょうか・・・。

憲法の改正についてもまだ態度を決められないでいます。桜も好きだし、戦争反対には違いないんですけど・・・。

いずれにしても、憲法について私たちはもっとよく知らないといけませんね。そうでないと、本当に改正が必要なのかどうかもわからにうちに、改正の方向に決まってしまうような危機感を持っています。

東アジアの安定や日本の経済的発展に憲法(特に9条)が果たしてきた役割の大きさを思うと、国内だけの問題でもありませんしね。

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