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愛する者を人は滅ぼさない

二つの良い話を聴いた
①講演「明日に向かって沖縄の心を世界に」(参議院議員・糸数慶子
②講談「チェルノブイリの祈り」(講談師・神田香織) 
(「戦後60年女たちが呼びかける いまこそ平和を!」主催婦人民主クラブ
ふぇみん創立59周年講演と講談の集い)

たくさん書きたいことがあって、何から書いたらいいか。

まず二つの話に共通していることは、お二人とも、強い動機があってそれが日常
の政治活動や表現活動の原点になっているということ。
借りてきた理論や頭の整理によって動かされているのではなく、日頃の実感から、
そうせざるを得なくて行動していることが、地に足の着いた活動に結びつき、それ
が聞く者に強く訴える言葉になっていることをひしひしと感じた。

今日は糸数さんの話を聞いて得た情報や、感じたことを書いてみたい。

糸数さんは、昨年の参議院選挙で沖縄から全野党共闘によって国会に送り出さ
れた元県会議員だ。その前は沖縄の平和ガイドに長年携わっていた。
若い頃、ガイドの途中でお客さんに問われたそうだ。「あなた自身の戦争体験は
?」その時に答えられなかった自分を恥じ、お母さんから初めて過酷な戦争体験
を聞いたという。

糸数さんのお母さんは、年寄りと女性と子どもだけになって(男は兵隊にとられた
り、亡くなっていた)山での避難生活を送るうち、赤ちゃんを亡くし、直後に3歳の
息子さんも失う。半狂乱で、子の亡骸を背負って山に逃げ、何日もの捜索のあげ
くに発見される。が、それでもわが子の死を認められず、埋葬するのを拒否したと
いう。その亡骸は正視できないほどの腐乱した状態であったそうだ。

糸数さんは言う。こうした体験は私の家だけではない。当時の人口の4人に一人
が犠牲になっているのが沖縄だ。
ガイドをしていると、中にはこんな質問を受けたこともある。
「殉国の士をなぜ賛美しないのか」とか、中には「嘉手納(米軍基地のある)に住
みたい」という人もいた。米軍は基地の中は守るけれども、基地の外は守らない
のが現状なのに。

沖縄と言っても決して一枚岩ではない。名護の商工会は経済効果をねらって国
に陳情に行っているし、本土の大手ゼネコン関連の人たちは国の政策を歓迎する。
こんなふうに、同じ土地の者同士が国策によって二分されているのが沖縄の現状
だ。(これは原子力政策による原発立地地域の現状と同じだ…私のつぶやき)

<講演を聴いて、しっかり意識しておきたいと思ったこと二つ>
当面、現状を考える大事な手がかりになると思われる具体的なことを二つ。

(その①)
・米軍基地は非常に危険だということを、アメリカ自体が認めている。
それくらい危険度が高い。

糸数さんは、今まで、95年の米兵の少女暴行事件など米軍の事件が起きるた
びにアメリカ本国に申し入れを行ってきた。県議時代・去年・そしてヘリ墜落事
件後と。

以前は、その度に「訴えるところが違う。自分の国に訴えなさい。」と言われてき
た。ところが、沖縄国際大学のヘリ墜落事件後、同様にアメリカに訴えたら、今
回ばかりは違った。
「危険は認識している。何か起きれば日本から米軍は撤退しなくてはならない認
識を持っている。」と国務省の役人が言ったというのだ。
私たちは、アメリカ自体が認めるくらい、いつ何が起きてもおかしくない危険な状
況の中で暮らしているということだ。

(その②)
・「思いやり予算」がいかに異常に大きな金額であるかということ。
(福祉や教育の予算が削られている中、本当に信じられない額だ…私の感想)
日本が米軍に支出している額は、なんと、世界中のアメリカ軍基地を置いている
国々の支出額を全部合わせた額の1.6倍だというのだ。
(そう言えば新聞にも載っていた。米兵一人当たり年間1,200万円だとか。)
フィットネスセンターの建設費や水道代等の維持費も入っているそうだ。

最後に糸数さんは言う。
沖縄は、よく太平洋の要石と言われるが、これからは軍事基地としての要では
なく、自然・文化・歴史を生かした平和のキーステーションとしての要でありたい。
琉球王朝の武士は刀を持たなかった。
ナポレオンは「東洋に信じられない島がある」と言った。

日常の中で、戦争につながるもの一つひとつに細かく目配りしていくことが大
事だ。
糸数さんは、自著「いのちの声」に引用した永井隆博士(長崎原爆の被災者の
救済にあたった医師、自らも被災者)の言葉を読んで、話を締めくくった。

永井博士はこのときすでに、今日の憲法改正の動きを予測していたのかもしれ
ない。そうした危機意識に立って、二人の博士の子ども達に思いを伝えている。
将来、憲法から(武力放棄の)条項を削れという声が出るかもしれない。
そうなったとき、おまえ達だけは、たとえ世界中で二人だけになったとしても、それに
反対する人になってほしい。愛されるようにしなさい。愛する者を人は滅ぼさない。

オオカミは牙を持つがゆえに滅ぼされてしまったが、鳩は滅びなかった。…」
(私の要約)本文はもっと心にしみる美しく説得力のある文章だ。
………………………………………………………………………………………
以上、メモを頼りに思い出すまま書いたもの。糸数さんの話を聴く機会があったら、
ぜひ実際に聞いていただけたらと思う。子を思う親の心情に貫かれた行動の力
強さを感じさせられる。国会でもぜひがんばってほしいと思う。
(明日の月曜日は首相への質問時間が5分与えられたそうだ。)
神田さんの講談については次回。

お二人の話を聴いて改めて思う。
テーマは重くても、きっぱり主張し温かい心情で動いている人たちは実に爽やか
で気持ちよい。静かな勇気と心の平和をもらえる。

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コメント

有意義な会だったようですね。やはり、行っておくべきだったと思いました。
最近講演会など真面目な会は避けがちなのですがいい機会があったら、また参加しようと思います。
沖縄の体験は一度お話を伺うと忘れることができず、風景とともに思い出してしまいます。
日本のアメリカの属国化、すごいことになっていますね。奴隷のごとく・・・お金がなくなったら、いずれ、ポイして捨てられるのでは。

若い人がほとんどいなかったのがさびしかったですね。男性も主催者の性格上ほとんどいなかったし。やはりネットワークがカギと思いました。

私も最近、しんどいのはダメで、選んで出かけています。集会の持ち方、内容など工夫しないと難し時期ですね。

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